日本代表は2022年に入って最初のワールドカップ最終予選の連戦を戦い、中国戦に続いて2月1日のサウジアラビア戦にも勝ってグループBの2位を堅持した。
一時は危うい様子にも見えた日本代表だが、力強さを取り戻してきたようにも見える。残り2試合、カタール・ワールドカップに向けて前進する日本代表の現在地、そして最後の詰めについて、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り合った。
■現在のユニフォームでの初めての「良い試合」
――ホームでのオーストラリア代表戦でもそうでしたが、土壇場で力が出る印象を受けました。
大住「何年かぶりに日本代表の良い試合を見たなと思った。実はいまのユニフォームに変わってから、良い試合を見たことがなかったんだよね」
後藤「日本代表の良い試合っていうと、ロストフでのベルギー戦以来かね」
大住「あの年は、秋もとても良かったよ。翌2019年のアジアカップのイラン戦が素晴らしかったけど、それ以来かなあ」
後藤「そうだね、弱い相手から10点取ってもしょうがないしね」
大住「あのユニフォームになってから、最終的にオリンピックも、なでしこジャパンもダメだったし。初めて良い試合になりました」
後藤「点が取れないと言われてきたけど、2試合連続で複数得点できたし。結果的に2点入りました、じゃなくて、きちんと試合の流れをつかんでいた。最初はお互いにロングボールを蹴り合う、いわゆる『決勝戦みたいな』試合をやっていたけど、20分を過ぎると段々日本がペースを握って、決定機に近いチャンスが積み重なって点が入った。前半は1-0で終わったけど、後半立ち上がりに点を取ってかなり勝利に近づいたし。非常にロジカルに勝ったよね。最悪の時期に比べれば、間違いなく随分と良くなった」