■ニジニ・ノヴゴロドでの出会い
ロシア滞在中に食べたものの中で、もう一つ印象的だったのはヴォルガ川のスズキです。
スズキ(鱸)というのは陸地に近い海などにいる魚で、沿岸漁業で漁獲され、東京湾などでも獲れます。そして、釣り人たちに「シーバス」とも呼ばれている魚です。河川に棲む淡水性のスズキも多く、ヴォルガ川のスズキも有名なのです。
このヴォルガのスズキに出会ったのは、ニジニ・ノヴゴロドという街でのことでした。
ニジニ・ノヴゴロドはヴォルガ川とオカ川が合流する交通の要衝に建設された工業都市で、古いクレムリン(砦)があります。ワールドカップの試合が行われたスタジアムもまさに2つの大河が合流する地点の川沿いに建設されました。
僕がニジニ・ノヴゴロドを訪れたのは準々決勝のフランス対ウルグアイ戦の時でした。7月3日にラウンド16が終わって、準々決勝までは中2日の休息日がありました。そこで、僕は前日の朝にノジニ・ノヴゴロドに到着してゆっくり観光をしました。グループリーグの間は毎日試合があって、夜行列車や飛行機を乗り継いで行ったり来たりしていたので、ゆっくり観光をする時間はありませんでしたから、このニジニ・ノヴゴロドというあまり馴染みのない街で、初めてゆっくり観光できたのです。