■野心を抱いた選手たちが集まる
左ウィングバックには、横浜FCから袴田裕太郎を獲得。かつてアカデミーでプレーした選手が、経験を積んで帰還した。袴田と同じく2021年は横浜FCでプレーしたジャーメイン良も加入。20代半ばの良い時期に入っており、今後も見据えた補強となる。
ジャーメインは横浜FCではシャドーのポジションに入ることもあり、この位置には大宮アルディージャで背番号10を与えられていた黒川敦史も獲得。大宮の生え抜きで、着実にタフさを身につけ、2021年にはキャリアハイの9ゴールも記録した。2021年のJ2で16位と苦しんだ大宮だったが、そのチームでの奮闘は好調チームでのそれよりも価値がある。
J2得点王となったルキアンはアビスパ福岡へと移籍したが、1トップには杉本健勇を期限付き移籍で獲得した。ここ数年は悔しい時間が続いていたが、かつて日本代表にも入ったように、能力の高さに疑いはない。30歳になるシーズンに、本人もリベンジを狙っているはずだ。
横浜FCでJ2降格の悔しさを味わった選手や、ポーランド移籍があと一歩で成立しなかった経験を持つ黒川と、反撃を期する選手が、クラブの野心を増幅させる。たとえ最初は選手たちが「J1残留」と謙虚な目標を口にしようとも、本当の狙いはさらなる高みにあるはずだ。