■バイエルンが圧倒

 ここで積極的なプレーによって連続してチャンスが生まれたことで、シュトゥットガルト全体の雰囲気が変わった。

 大人しくなっていた遠藤も、徐々にらしさを見せ始める。

 セルジュ・ニャブリとの激しいコンタクトを見せると、39分にはペナルティエリア手前中央のトマス・ミュラーに楔のボールが入ってきたところで体を寄せてコントロールさせない。

 しかし、積極的になったシュトゥットガルトに対してバイエルンが貫禄を見せつける。

 40分、バイエルンは自陣右サイドから攻撃を開始すると、遠藤ら中盤全体が前に出て間延びした状態になっているスペースをリロイ・サネが突き、中央をドリブルで突き進む。そのままシュトゥットガルトの最終ラインと対峙すると、左に開いたニャブリにパス。背番号7は45度の位置からダイレクトで見事なコントロールショットを決め、ついにスコアが動いた。

 ただし、このゴールでシュトゥットガルトの勢いが削がれることはなかった。一度取り戻したチームとしての積極さは失われず戦うと、2分のアディショナルタイムにはそれまでなかなか高い位置で攻撃に絡めなかった伊藤がミドルシュートを放つ。枠からは大きく外れたが、伊藤もまたチーム同様に積極さを取り戻していることを示し前半を終えた。

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