■2強を追う首都のビッグクラブ
2強を追うのは、FC東京だ。2020年にルヴァンカップを制し、2021年も3位となっていることから、このカップ戦のみで9500万円を手にした。2019年のリーグ2位躍進もあり、この3年間で2億1500万円を得ていた。
もしもコロナ禍がなければ、FC東京はさらに2位横浜FMとの差を詰めていたことになる。全世界のあらゆる分野が新型コロナウイルスに揺さぶられたように、昨年のJリーグではリーグ戦、カップ戦ともに賞金が半額となったためである。通常通りにリーグ優勝で3億円を得ていれば、川崎のリードはさらに広がっていたわけではあるが...。
また、3年間にわたりJ1優勝チームには15億5000万円、2位には7億円など、賞金以上に大きな「理念強化配分金」も得られていれば、上位クラブとそれ以外の体力差は、さらに大きく開いていたことだろう。この理念強化配分金は、コロナ禍において2020年度分から支給が停止されているが、だからこそ相対的に獲得賞金の価値が高まるとも言える。
天皇杯はあるものの、リーグ戦が終われば補強などの次のシーズンへ向けての動きが加速していく。チームづくりにおいて、資金も重要なファクターとなる。各クラブは今季得た資金を使いつつ、まだまだ続く厳しいレースを続行するのだ。