■「チームワーク」について語っていた

 徳島の象徴である岩尾憲は「勝敗自体は自分にとって重要ではなく、どういうふうに振舞ったか、何によって勝つ確率が上がったか、というプレーの質の方が重要だと思っています」と試合後に語った。これはこういう状況だからあえてそう言っているわけではなく、度々出るコメントだ。彼は過去にチームワークというものについて“1人1人が責任を持って役割をしっかり果たせば、それもチームワーク”ということを言っている。

 それぞれがしっかりプレーできれば、きっと結果がついてくる。

 このPKの場面に限っては、役割を果たすこと=勝利、という非常にわかりやすい構図となったが「徳島は良いチームだ」とあらゆる所で言われているのは、そういうことを感じさせる試合を続けているからだろう。

PKをストップした上福元直人 FC東京対徳島ヴォルティス(2021120)撮影/原壮史

 自分がすべき役割を、いつも通りのことを90分間やりきる。こういう状況になっても自分たちの姿勢を決して崩さない、いつもと違うことをやり始めない。そういうブレない部分を試合を通じて見せているからこそ、どんなサッカーがしたいのかがはっきり伝わってくる“良いチーム”と感じさせられるのだろう。

PHOTO GALLERY FC東京対徳島ヴォルティス 20211120
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