11月16日(日本時間17日未明)に行われたワールドカップ・カタール大会のアジア最終予選で、日本代表はアウェイでのオマーン代表戦に1-0で勝利した。ホームでの敗戦の意趣返しをした格好で、中国代表と引き分けたオーストラリア代表を抜いて2位にも浮上した。
しかし、単純に喜んでいるわけにはいかない。本大会出場をめぐるレースは、年をまたいで続く。希望と課題が浮き出た日本代表の2021年最終戦を、取材歴50年を超える大住良之、後藤健生という2人のベテランサッカージャーナリストが語りつくす。
■未来のサッカーを予見したかのような試合
――試合前の予想は、後藤さんが2-0の勝利、大住さんが「点は取れない」とのことだったので、予想対決は引き分けかと。この結果の理由をどうみますか。
大住「前半を見れば分かりますよね。森保一監督は、どうしてあんなに頑固なのかなと思うね」
後藤「今日はすごく交代の仕掛けは早かったよね。ハーフタイムに三笘薫を入れて、次の交代は62分。かつてなく早かった。準備のための試合は別として、こういう勝負の試合としては早かったよね」
大住「最初から出しておけばいいのに、と思ったけど」
後藤「後半から出すのがいいんですよ」
大住「1試合で5人交代できるっていうのは…」
後藤「大きいよね。3人に戻すのは難しいよね。VARはなくしてもいいけど、5人交代は戻せない」
大住「このルールだと、つまらない前半になりそうだよね。前半はお互いにジャブの打ち合いだから、見なくていい、みたいな」
後藤「まさに今日は、未来のサッカーを予見したかのような試合(笑)。吉田麻也が、まるで監督のようなインタビューの中で、前半にはボールを動かしてと相手を走らせて後半仕留めるって言っていたし」