■絶対的メンバーの4人が守る壁

 名古屋の守備が堅いのは、イタリア人指揮官の戦術による部分も大きい。守備といっても、ただ人数を後方に置けばいいわけではない。センターバック2人がGKランゲラックの前でしっかりと壁を作り、しかもこの2人が極力、外に引っ張り出されない。そして、その前にいるボランチ2人がスペースをしっかり埋めつつ、人に強くいく。

 サイドハーフは相手のサイドバックを見つつも献身的に最終ラインにまで戻り、ボールを奪えば真っ先に前方へと飛び出す。

 説明すれば簡単だが、それをピッチの上で実行できる選手は極めて少ない。そのため、昨年の名古屋の出場時間数を見れば、かなり偏りがある、ランゲラック、丸山祐市、中谷進之介が全試合フル出場の3060分という出場時間数で、これに次ぐ稲垣祥が3036分。守備の要となる4人は、絶対固定メンバーなのだ。

 しかし、そのうちの一人でチームキャプテンである丸山が、5月15日の清水戦で負傷。クラブリリースによれば、治療期間が「約6~8ヶ月」という重傷で戦線離脱している。さらに、稲垣の“相方”である米本拓司は10月20日に手術を受けていたことが発表されていた。

 天皇杯準々決勝には登録上、キム・ミンテが出場できなかったが、ルヴァンカップでは途中加入したこの韓国人DFが出場できる。ベガルタ仙台時代にはボランチでも出場していたミンテが入ることで、戦術的柔軟度は増すことになった。

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