「ル・クラスィク」マルセイユ対パリ・サンジェルマン、レッドカードで始まった「史上最大の引き算」(2)ポチェッティーノが最後まで残した「メッシとムバッペ」の画像
ル・クラスィクでのメッシ 写真:AFP/アフロ

【リーグ・アン オリンピックマルセイユvsパリ・サンジェルマン 2021年10月24日(日本時間27:45キックオフ)】

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 守備をするディ・マリアがいなくなったことで、マルセイユの攻撃はそれまで以上に簡単に大きくファーサイドを使ってゴールに迫るようになった。4バックがラインを作って下がっていくPSGの守備はサイドでボールを持たれた時の対応が元々弱いが、そこをケアしていたディ・マリアがいなくなり、しかもサイドのアタッカーを置かない形にしたことで楽々と攻撃されることになった。

 それでもなんとか0-0のまま進むと、83分、PSGは再び選手交代を行った。

 ここで下がったのはネイマールだ。4人の中では2番目に守備をする選手であり、攻撃では調子を落として良さを発揮できていなかった選手でもある。ディ・マリアとピッチを去る順序が逆であっても不思議ではないが、これがスター軍団を率いる難しさだ。

 バランサーとして働けるジョルジニオ・ワイナルドゥムに替え、守備への参加が少ない2トップをそのまま残した。この狙いは明らかだ。
なんとか守って、攻撃はメッシとムバッペの2人でどうにかしてもらう。シンプルだが、わかっていても止められない圧倒的な個の力に託した形だ。

 狙い通りにムバッペが抜け出した場面も生まれたものの、試合はマルセイユ優勢のまま0-0で終わりを迎えた。

 国内のライバルに退場者を出しながらアウェイで引き分け。PSGは9勝1分1敗で首位を走る。そういう目で見れば悪くはない結果だ。しかし、監督の苦悩は続く。

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