■スター軍団を率いていると別の部分がフォーカスされがち
守備が上手くいく中盤以降の最適な組み合わせの発見や、そもそもの守り方の整理といった戦術的な部分もあるが、ナバスとジャンルイジ・ドンナルンマの正ゴールキーパー問題や、これからメンバー入りをするであろうセルヒオ・ラモスの存在もある。
1つの采配が思わぬ火種を生むことだってある。たとえばこの試合ならば、苦しい状況で守備を犠牲にしてメッシとムバッペを残したのは、この2人でならば勝利をもぎ取ることができるという考えを監督が持っているということだ。
今回はレッドカードという大きな理由があったものの、苦しい状況から勝つ方法としてそういう選択になるならば、初めからそうならばより簡単に勝てるのではないか、となりかねない。たとえその狙いが正しいものであったり、結果がついてきたりしても、スター軍団を率いていると別の部分がフォーカスされがちだ。
あくまでもNMNを起用し、チャンピオンズリーグを制する・・・それがポチェッティーノ監督に託されたPSGの理想の未来だ。当然、勝ち進んでいけば、現実的な戦い方をしなければ勝てないであろう相手と当たるようになる。
果たしてゲームの世界のようなチームはどういう物語を残すことになるだろうか。
マウリシオ・ポチェッティーノ監督の苦悩は察するに余りある。
■試合結果
オリンピック・マルセイユ 0-0 パリ・サンジェルマン