■関根にキッカーを任せたリカルド・ロドリゲス監督の狙いとは
実は、PKのキッカーについては、リカルド・ロドリゲス監督の思惑があったようだ。
リカルド監督は試合後のインタビューで、関根をキッカーに選んだ理由について問われると、「チーム全体で考えた結果で、江坂がキッカーを務める予定だったが、(江坂が柏に在籍していたため)相手も江坂の特徴を知っていると思い、今回の場面では関根に任せるという決断をした」と答えた。
指揮官は、古巣対決となる江坂のシュートコースは簡単に読まれてしまうと踏んだのだろう。奇をてらった起用が功を奏し、リカルド監督はにやりと微笑んだ。
前節のG大阪戦では、ほとんどの時間を攻撃に費やし、ゲームを支配したが、浦和は再三のチャンスを決め切ることができなかった。しかし、柏戦の前日に行われた定例の監督会見で、リカルド監督は「選手のイマジネーションも大事だが、それだけではなく、トレーニングの中でも指導者からしっかりとコンセプトを提示している。相手も我々を対策してきているので、様々なバリエーションやサプライズ的な要素は常に必要。新しいアイディアをもってチームをアップデートしていきたい。そういったことを考えるのは私も好きな部分なので、トレーニングで実行しています」と答えている。
今節のようなPKのキッカーの選択をはじめ、指揮官の脳裏にはチームをアップデートさせるためのアイディアがまだまだたくさんあるのだろう。前節から1週間あまりで決定力不足を見事に解消してみせた。
浦和は27日開催の天皇杯準々決勝を控えている。前節に勝ち切れなかったG大阪と短期間で再び顔を合わせることになるが、浦和のシュート25本を防いだ相手は、様々な攻撃のパターンを記憶していることだろう。
それを上回るリカルド監督の“新しいアイディア”に注目したい。来季のACL出場権獲得に向けて、天皇杯も駒を進めることができるだろうか。
■試合結果
浦和レッズ 5―1 柏レイソル
■得点
15分 汰木康也(浦和レッズ)
21分 関根貴大(浦和レッズ)
23分 汰木康也(浦和レッズ)
33分 マテウス・サヴィオ(柏レイソル)
45分 キャスパー・ユンカー(浦和レッズ)
59分 江坂任(浦和レッズ)