■気になった柴崎のボールロストと昔からの癖
大住「いつも思うことなんだけど、最後に攻めなきゃいけないという時に、攻めがまとまらないんだよね。例えば川崎フロンターレだったら、最後に攻めなきゃいけないという時には、自分たちの良いものを全部出して、リスクを冒しても攻めていくけど、日本代表はそうじゃない。
ただ前に行っているだけで、足も体も動いていない。お互いを見ていなくて、皆が同じように突っ立っている。最後に全然効果的な攻めができないというのは、ずっと日本代表では続いているよね」
後藤「今回は両サイドの調子が悪すぎたと思う」
大住「まあ、そうだね。59分に2人とも交代したわけだけど、僕はあの場面で柴崎岳を代えるんだと思っていたので、交代が両サイドだったのには非常にびっくりした。確かに両サイドはあまり機能していなかったけど、柴崎の方が後半の頭から明らかにプレー精度が落ちていて…」
後藤「失点直後に柴崎を代えたけど、あれは準備していたものだからね。失点につながるミスしたから、じゃなくて」
大住「後半が始まって4分後に、ハーフウェイラインを越えたところで柴崎がボールを取られて、カウンターを受けた場面があった。最終的に権田修一がシュートを防いだんだけど、柴崎は取られた後で相手のファウルだって手を広げてアピールして、ボールを追わないんだよね。あの瞬間、『もうダメだ』と思った」
後藤「柴崎は昔からそういうところがあるよね。確かに僕も反則かなと思ったけど、あそこで足を止めちゃいけなかった。そもそも前半からボールロストが多すぎた。開始早々のミドルシュートも良かったし、良いパスも出していたけど、あれだけ中盤の深い位置でボールロストしては…。遠藤航が一生懸命カバーをしていたけど、あれではちょっと使えないよなと思ったね」
大住「テンポが遅いからボールロストするんだよね。ボールを持って、『さあ、どこに出そう』という感じになるから、相手はもう…」
後藤「狙っている。プレーしているうちに、相手には分かるもんね。ここにプレッシャーをかければボールを取れる、ということを知られてしまった。『柴崎はボールロストするからダメだ』って、前半のうちからノートのあちこちに書いてある」
大住「後半になっても、柴崎のボールロストが圧倒的に多かったんだよね。なんで早く代えないのかな、と思っていたんだけど…」