■強いチームほど相手から対策されるが…

 さらに、リカルド監督は神戸の警戒する選手として「神戸の最近の試合を見ていると、前線の3人を警戒しなければならない。大迫(勇也)、武藤(嘉紀)、(アンドレス)イニエスタの3人のコンビネーションがうまくいっていて、良い相乗効果が出ている。(相手の)選手が変わればチームの振る舞いも変わるので、この3人に気を付けながらプレーしたい」と、前線の3選手の名前を挙げていたが、蓋を開けてみれば、その大迫・イニエスタ・武藤のトリオ全員に得点を奪われる形になった。

 たしかに、この3人は代表経験も豊富で、経験値もプレーもエース級であることに変わりはない。それでも、昨今の浦和が見せていたクオリティを考えれば、11人が連動しながら守備をすることは可能だったはずだ。それほどまでに三浦監督の浦和対策や思い切ったシステム変更は的確だったということか。神戸と浦和の今シーズンのここまでの戦績は2勝1分と浦和が勝ち越していたが、今節はまさに三浦監督の術中にはまってしまった。

 試合後、リカルド監督は、「我々の立ち上がり、入りがよくなかった。その後もあまり自分たちのペースで試合を進めることができず、快適にボールを動かしていくことができなかった。球際の部分でも相手に負けていたところもあったと思う。我々はどの局面でも相手を上回ることができなかったのは事実で、そこは改善していかなければいけないと思います」と振り返り、「相手に上回られてしまった、我々ができなかったことを彼らにやられてしまった、我々がやりたいことができなかった」という言葉を繰り返した。

 当然のことではあるが、強くなればなるほど、相手も徹底して対策を練ってくる。中断明けから、リーグ戦でもカップ戦でも破竹の勢いで結果を残し、チームとして急成長を遂げた浦和は、今まさに相手チームの標的になっている。

 しかし、相手がどのような手法を取っても勝ち点を手にすることができるチームこそ真の強さを誇ると言える。中3日でルヴァンカップの準決勝を控え、次節こそ浦和の底力が試されるだろう。

 

■試合結果

ヴィッセル神戸 5―1 浦和レッズ

 

■得点

8分 大迫勇也(ヴィッセル神戸) 

21分 アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)

34分 アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)

49分 小泉佳穂(浦和レッズ)

53分 武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)

84分 ボージャン・クルキッチ(ヴィッセル神戸)

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  3. 3