後藤健生の「蹴球放浪記」連載第76回「他人の金を取る気なら、ちゃんと準備してこい」の巻(2)ヨーロッパ編「雑すぎる偽警官」とウズベキスタンでダマされかけた「絶妙の間」の画像
2013年11月の親善試合で、ベルギー対日本もブリュッセルで開催された。大きな街だけに危険な地域も…。ちなみに試合は日本が3-2で勝利 写真:渡辺航滋

 サッカーのあるところ、蹴球放浪家・後藤健生あり。たとえ危険があろうとも、サッカーのためなら乗り込んでいくのがジャーナリストだ。かかってくるなら、本気で来い!というほどの意気込みで……。

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 南米名物が「ケチャップ強盗」だとすれば、かつてヨーロッパで流行っていたのが「偽警官」です。

「俺は警官だ」と言って近づいてきて、「この辺で麻薬犯罪が多発しているので調べる」とか「偽札の検査だ」とか言って、人の荷物を調べるのです。当然、そこで現金などを抜かれてしまうという手口ですが、本当にちょっと人気のないところを歩いていると、すぐに出てきたものです。

 あれは、たしかベルギーの首都ブリュッセルの街を歩いている時だったと記憶してますが、なんか人通りが少ない通りだったので「このへんは偽警官でも出てきそうな所だな」と思っていたら、本当に出てきたので驚いたんですが、その偽警官が身分証のようなものを見せたのです。

 そいつがビックリ! なんと、その身分証は手書きのものだったのです。

 一生懸命書いたのでしょう。たしかに、奇麗に描かれていますが、さすがに手書きの身分証というのはありえません。そんなもの、むしろ見せない方がいいだろうに!

 とにかく、相手を選ばずにケチャップをかけてくる人たちにしても、手書きの身分証を見せる人にしても、他人を騙して金品を巻き上げようというのなら、もう少しちゃんと準備をするとか、小道具に金をかけなければいけませんよね。 あなたたちも、一応はプロなんでしょう?

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