■ガンバは異質な存在になりつつある
だから、勝ちたいという気持ちや良い流れに全く関係なくあっさりやられてしまう。
矢島は自身のゴールシーンをこう振り返っている。「(藤春がクロスを上げる時)僕らは絶対そこ(ニア)に入ると決めている。その結果得点がついてきた。シャドーに入るとああいう形でのボールが出てくる。児玉コーチとの練習後の練習の成果が出た」
成果が出ているのは、全体ではなくあくまでもそういう局所的なものだ。修正や改善という言葉は何度となく出てくるが、それが全体で共有されるものにまで及んでいるのかは試合からはわからない。システマティックな連動の繰り返しが当たり前になってきている中で、ガンバは異質な存在になりつつある。
矢島はPKの場面も振り返った。「チームで誰が蹴るという決まりはない。僕が取ったのであそこは自分が蹴りたかった」PKキッカーを決めることと試合中の約束事を決めることは別ではあるが、そういうところもしっかりしておいた方が良いのではないかと思ってしまうくらい、ガンバは危機に瀕している。勝ち点は30のまま、降格圏とのとの勝ち点差は7だ。
勝たなければいけないという気持ちを試合中のプレーや行動でチーム全体で示すことができるチームはいつできるのだろうか。
試合後に選手たちを迎えたサポーターは、今の状況と正面から向き合う覚悟を決めたことを拍手で表していた。
■試合結果
ガンバ大阪 2-3 ベガルタ仙台
■得点
37分 富樫敬真(仙台)
39分 矢島慎也(ガンバ)
42分 富樫敬真(仙台)
60分 パトリック(ガンバ)
79分 西村拓真(仙台)