■努力は痛いほど伝わっただけに残念だ

 彼は、勝ちたいという気持ちをプレーや行動で示していた。

 ロングボールを収めるだけでなく裏取りのためにも走り、守備では仙台のセンターバック、アピアタウィア久にプレスをかけた。

 PKを獲得すれば即座にボールを自分のものにし、しっかり決めきってみせた。仙台のゴールキーパー、ヤクブ・スウォビィクがリードを保つためにイエローカードと引き換えに揺さぶりをかけてきたが、冷静に決め切ったこと。

 1点を追う82分に仙台のキャプテンを務めていた蜂須賀孝治が交代する際には、少しでも早くその時間を終わらせるためにとキャプテンマークを回収して富田晋伍の腕に巻きに行くほどだった。

 他にも、VARの際にそこにいることで何か変わるわけではないのに、主審の隣から決して離れなかったり、試合が止まった時に1人だけベンチ前まで行って指示を仰いだりと、とにかくこの試合は勝ちたいんだ、という気持ちに溢れていた背番号18は、試合が終わるとピッチに顔をうずめ、それから膝立ちになって思い切り叫んだ。試合中の行動が伴っていたことで、その悔しさは痛いほど伝わってきた。

 勝たなければいけないという気持ちを、こうして試合中のプレーや行動で示すことができた選手が何人いただろうか。

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