サッカー日本代表が９月７日深夜に２０２２カタールワールドカップ（Ｗ杯）のアジア地区最終予選で中国代表と対戦し、１－０で勝利した。ホームでの初戦を落として衝撃を与えた日本代表だが、中立地ではあるが勝ち点３を持ち帰ることに成功した。
この一戦から何がうかがえ、今後にどんな影響を及ぼすのか――。取材歴５０年を超える大住良之、後藤健生、２人のサッカージャーナリストが縦横無尽に語り尽くす！
―久保建英が良かったとのことですが、もう少しやってほしかった先発の選手はいますか。
大住「それより、これ言っちゃうと身も蓋もなくなっちゃうかもしれないけど、試合がまったくつまらないね。なんて言うんだろう、攻撃のスピードが全然なくなっちゃった。大迫勇也にしてもそうだし、原口元気もそうだし、古橋亨梧もそうだし。見ていて、『あ、すごいな』というプレーが全然出てこないんだよね。なんかちょっとこう…錆びちゃったっていう感じかな。
時代遅れの映画を見ている感じだよね。なんかこう、ワクワクしてこない。今日は、全体の出来として、よく動いていたし、走っていたし、戦っていたし、ボールを奪い取ったけど、その後の攻撃が、すごく慎重だったり、横へ逃げちゃったりしていた。放送の解説でも指摘していたけれど、鎌田が出したパスなんて…。原口もなんであんなに下げちゃうんだろう」
後藤「最後の時間帯では、交代で出てきた選手はみんな良くなかったし、最初からいる大迫は疲れ切っているし。本当によれよれになっちゃったよね」
大住「僕は最後の方で前田大然が欲しいと思ったんだよね。前の方でとにかくガムシャラに動く選手とか、そういう違いをつくる選手が欲しいのに、交代で出てきた選手がそうじゃなくて…」
後藤「交代で出てきた原口と、大迫はちょっといまいちだった」
大住「原口はボールを持っていない時は良い。頑張るんだよ。すぐ戻るし、切り替えも早いし、スライディングもする。でも、自分たちがボールを持つと、途端におとなしくなっちゃうんだよね。この９月のシリーズの日本代表は、『これまでのチーム』でやったんだよね。いろいろと考えがあってのことだろうけれど、もっと選手の入れ替えのスピードを上げないと、このままでは１０月の２試合は非常に厳しいと思うね」
