■徳島・DF福岡「リカのサッカーを超えたい」
無論、この一戦について思い入れが強かったのはリカルド監督だけではない。徳島のダニエル・ポヤトス監督もリカルド監督と同じスペインの出身。「試合後には“徳島の方が我々のチームよりも上だった”と、激励してもらった。とても人柄が良い監督だと思いました」と、ピッチ外でのやり取りを明かした。
徳島のDF福岡将太は、リカルド監督との対決について感想を問われると、「僕らの方が主導権は握れていた。自分たちのやりたいサッカーを実現できるようになってきているが、リカのサッカーを超えたいという思いはあった。今日の試合だけが特別ということではなくて、相手が誰であっても勝たなくてはいけない」と話した。恩師から受け継いだスタイルをさらに進化させければという思いからなのか、福岡は終始、悔しさをにじませた。
FW垣田裕暉も、「リカとの対戦についてはあまり意識しすぎることなく臨めたが、リカがどんなサッカーをするのかは分かっていたし、今日は実際に良いシーンも作れていたので、自分たちももっと対応しなければいけなかった」と、かつての指揮官への恩返しができなかった反省を口にした。
リカルド監督をめぐっての浦和と徳島のエピソードは多岐にわたる。浦和のホームで行われた第9節の対戦では、試合後、当時、暫定的に指揮を執っていた甲本ヘッドコーチにリカルド監督が駆け寄って抱擁を交わし、その激励に対して甲本氏が思わず涙ぐむ場面も見られた。