東京五輪は終了した。だが、すでに新たなスタートは切られている。通常より1年短い3年というスパンで次の大会、パリ五輪がやってくるのだ。
メダル獲得はならなかったが、チャンスはまたやって来る。日本代表としては60年ぶりとなるメダルを狙うわけだが、選手たちにとっては獲得すれば自身初のメダルだ。最後のチャンスになるかもしれない選手もおり、地元五輪での「仇」を取るべく、腕を撫していることだろう。
3年は、長いようで短い。果たしてどんな選手がパリで戦うのか、現状から分析してみた。
■パリ世代で「海外組」はどこまで増えるか
東京五輪では、これまでの大会と比較してJリーグで経験を積んだ選手が多かったが、それと同等、あるいはそれ以上に特異だった傾向がある。「海外組」の多さである。
コロナ禍におけるレギュレーション変更前、大会に臨む18人のうちオーバーエイジ枠を除いても、実に7人がヨーロッパのクラブに所属する選手だった。4大リーグや5大リーグと呼ばれる主要リーグでプレーするのは久保建英(レアル・マドリード=メンバー発表当時)だけだったものの、これまでの五輪に臨む日本代表に、これほど海外組が多いことはなかった。
しかも、メンバー発表の6日後には田中碧(川崎フロンターレ)のドイツ2部デュッセルドルフへの移籍が発表された。さらに、大会終了を待って発表された三笘薫(川崎フロンターレ)のブライトン(イングランド)移籍を合わせると実質的に9人と、当初発表した18人からOA枠3選手を除く15人の半分以上が海外組だったのだ。
パリ世代でも、すでに海外組がいる。ポルトガルの名門ベンフィカに招かれた小久保玲央ブライアンである。横浜FCで16歳でJリーグデビューを飾り、J1で1年プレーしたのちにベルギー2部へ移籍した斉藤光毅(ベルギー)は、クラブですでに背番号9を与えられている。
また、「海外組」が増える可能性もある。幼少期からスペインに渡った中井卓大は、レアル・マドリードのアカデミーで生き残り続け、腕を磨いている。今年18歳になるMFが、東京五輪での久保のような存在になる可能性は十分にある。
そして、これから海を渡る可能性がある選手たちもいる。松木玖生はフランスのクラブに練習参加すると、同国1部のストラスブール移籍の可能性を報じられた。まだ日本でブレイクには至っていないが、西川潤(セレッソ大阪)にもバルセロナが興味を示していると報じられたことがある。若い才能が、海外で刺激を受けて大きく成長する可能性は十分にある。