■ライトが見えてからすれ違うまで10分近くが経過
夜中の道路で印象的だったのは対向車とのすれ違いです。直線道路のはるかかなたに明るい灯が見えます(空気が乾燥していますから、近視の僕でも遠くまでよく見えます)。そう、対向車のライトなのです。しかし、距離が遠く離れているのでライトは一向に近づいてくるように見えません。そうして、10分近く経つと、そのライトの主である大型トラックとブーンンッ!とすれ違うというわけです。
そして、怖かったのがカンガルーです。
目の前にいきなり飛び出してくるのです。なにしろ、100キロ超で走っているのですから、ぶつかったらかなりの衝撃でしょう。見ると、道端にカンガルーの死体がたくさん転がっています。
もちろん、象ではないので車が大破することもないでしょう。しかし、象はのそのそと歩いているので避けることが(あるいはやり過ごすことが)できるでしょうが、カンガルーはジャンプしながら移動しますから、突然道路に飛び出してくるのです。避けようがありません(象の名誉のために言っておきますが、象も時速40キロ以上で走ることができます。ウサイン・ボルトよりも速いのです)。
さて、こうしてちょうど24時間ほど(途中1時間ほど仮眠)走って、ようやくアデレードに到着しました。薄明の中、南オーストラリアを代表するワイン産地のバロッサバレーを北から南に向けて通過。南半球の9月のブドウ畑は剪定作業の時期だったはずですが、それでも朝の光に照らされたブドウ畑がとても美しかったのを鮮明に覚えています。
なお、準々決勝のアメリカ戦は1対1でPK戦に入り、中田英寿のキックがポストを叩いて失敗に終わり、日本は準決勝進出を阻まれました。