■A代表との違いと共通点

 2019年にU-21欧州選手権を制したデ・ラ・フエンテ監督は、当時から大きくメンバーを変えることなく、今回の五輪に臨むメンバーを構成した。基本布陣は【4-3-3】だが、A代表を率いるルイス・エンリケ監督ほどシステムには固執しない。【4-2-3-1】を併用し、臨機応変に対応する。

 一方で、A代表と共通する点もある。ラ・ロヒータ(スペイン世代別代表の愛称)でも、鍵となるのはやはり中盤なのだ。

 ペドリ、セバージョス、メリーノ、カルロス・ソレール(バレンシア)らは、若いが豊富な経験を備えている。とりわけ、セバージョスに関しては先述したU-21欧州選手権で「セバージョスとファビアンの大会だった」と現地メディアに評されるほどの活躍を見せた。

 ペドリやセバージョスが中心になるのは間違いない。ただし、他にも重要な役割を担いそうな選手がいる。マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)だ。

 スビメンディはソシエダのカンテラーノで、2019年4月28日にトップデビューを飾った。若手育成に定評があるソシエダというクラブで台頭してきた選手の一人だ。

 ソシエダはシャビ・アロンソを筆頭に、「名ボランチ」を輩出してきた歴史がある。現在、Bチームで指揮を執るX・アロンソ監督の薫陶を受け、トップチームで輝き始めているのがスビメンディである。2019年の優勝メンバーではないが、この数年でぐんぐん力を伸ばした選手は、チームに勢いをもたらす存在となる。

 このような選手たちがそろい、スペインの中盤の構成力は保証されていると言っていいだろう。また、前線にはアセンシオ、ダニ・オルモ、オジャルサバル、ブライアン・ヒル(セビージャ)、ラファ・ミル(ウルバーハンプトン)、ハビ・プアド(エスパニョール)とタレントがそろっている。

PHOTO GALLERY ■EURO出場全6人が先発か? 17日の日本戦のスペイン代表予想布陣■
  1. 1
  2. 2
  3. 3