【明治安田J1リーグ 第22節 湘南ベルマーレvsFC東京 2021年7月11日 19:01キックオフ】
田川亨介に出番がやってきたのは、0-0のままじわじわと試合が終わりに向かっていた71分のことだった。アダイウトンとの交代でピッチに入り、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、そして同時投入された永井謙佑と前線を形成した。
すると83分、まずは石原広教のパスをオリヴェイラがカット。ボールは石原のもとへ戻ったが、そこに田川が一気に寄せて奪いきるとレアンドロへ。シュートはゴールマウスに飛び込んだ田中聡によってギリギリで防がれたが、跳ね返ったところを永井が決めてようやく先制に成功した。
ブラジル人トリオと永井という強力なアタッカーを揃える東京において、田川は必ずしも徳島戦のようなスタメンでの最前線でのプレーに専念できるわけではない。それでも、シャドーであってもサイドアタッカーであっても、そこで最善を尽くすことが先に繋がる。
田川のゴールではない。アシストでもない。数字として記録には残らない。それでも、このゴールは田川の存在なくして生まれなかった。