【UEFA EURO2020 ラウンド16 フランスvsスイス 2021年6月28日(日本時間28:00キックオフ)】
前半の3分の1の時点で攻守にメッキが剥がれてしまった世界王者は、結局ハーフタイムにクレマン・ラングレをキングスレイ・コマンと交代させて4バックで戦うようになった。
ディディエ・デシャン監督は試合後、この戦い方について「攻撃のトリオが最適な場所でプレーできるように3バックを選択した」とし、途中で諦めたことについては「プレイヤー間の距離が開きすぎてコンパクトさが失われていた」としたが、EUROの決勝トーナメントで試すべきことではなかっただろう。
しかしハーフタイムの修正は功を奏した。50分にスイスのPKをウーゴ・ロリスが防ぐと世界王者は息を吹き返し、地力に勝るフランスはカリム・ベンゼマの2ゴールとポール・ポグバの75分のいつもならばダメ押しとも言える追加点で一時は3-1とした。
しかしこの日のフランスは勝ちきれなかった。後半のラスト3分の1、今度は言い訳の余地なくスイスの猛攻に力負けをしてしまう。1点差に詰め寄られたフランスは88分にようやく選手交代を見せ、アントワーヌ・グリーズマンをムサ・シソコに代えて試合を閉じようとしたが、既にスイスは勢いに乗ってしまっており、90分についに同点に追いつかれた。早い段階で手を打てなかったことが、この後にも響くことになった。