■試合の中で不在を嘆きたくなる場面
もともといないはずであったし、いないことは予めわかっていた。それでもその存在が脳裏をよぎってしまうほどの偉大な選手だ。待望論が繰り返されてきたのと同じように、試合の中でその不在を嘆きたくなる瞬間があるのは当然だ。
たとえばこの試合の前半、約半分の20分を終えた時点でスペインのボール保持率は85%にも及び、ボールがコートの半分に留まり続けてスウェーデンが文字通り手も足も出ない状態になった。そういう、チームが上手くいっていない時は、希望を求めて自然とそういう気持ちになってしまうだろう。
他にもそういう気持ちになる場面はある。
圧倒され続けたスウェーデンだが、ゴールキーパーのロビン・オルセンがビッグセーブを何度も見せ、ヴィクトル・リンデロフら守備陣も懸命に守り抜いた。それだけでなく、辛抱強く戦う中で試合をものにできる決定機も複数回生まれた。