【EURO2020】スペイン対スウェーデン(1)直前欠場「ズラタン・イブラヒモビッチがいたならば」の画像
EURO2020スペイン対スウェーデン 画像:サッカー批評編集部

UEFA EURO2020 グループE第1節 スペインvsスウェーデン 2021年6月14日(日本時間28:00キックオフ)】

 いない選手のことを言っても仕方がないが、「もし」を考えてしまうのも仕方がない。

 たとえば、スウェーデン代表にズラタン・イブラヒモヴィッチがいない。それはわかっていたこととはいえ、いざ試合が始まるとその不在を意識せずにはいられない。

 もともとの予定では、彼はこの場にいないはずだった。もともと、というのは5年も前からだ。彼はEURO2016がスウェーデンのキングとして最後の舞台になることを明言してフランスで戦っていた。その言葉に二言はなく、大会後にはすっぱりと代表を引退。その後幾度となく巻き起こった復帰待望論に対しても、ことあるごとに完全否定し続けた。2018年のロシアW杯に際しても「単に、俺だから、という理由で行きたくはない」とし、代表チームもプレーオフでイタリアを下して本大会出場を決めてみせた。

 それでも待望論は大きかった。そしてとうとう今年3月、イブラヒモビッチは代表復帰を決断。その際も「俺がここにいるのは、自分の名前がズラタン・イブラヒモビッチだからではない。ここにいるに値するからだ」とし、普段のリーグ戦で良いプレーをしている結果として選ばれることを強調して「自分はパズルの1ピースであり、自分の経験をチームが自由に利用できるようにしたい」と言葉を重ねた。

 しかし5大会連続のEURO出場がすぐそこに迫っていた5月15日、スウェーデンサッカー協会は、膝の怪我によりイブラヒモビッチがEUROを欠場することを発表した。

  1. 1
  2. 2
  3. 3