■兄弟対決で競争激化へ

 今回の状況について問われた森保監督は、「ちょっと長くなってもいいですか?」と笑ってから話し始めた。

「我々が泊まったホテルでは自家発電で電気を使わせてもらって、ご飯も食べさせてもらえました。生活に何か不自由するようなことはなく、手厚くサポートしてもらいました、練習もさせてもらったし、地震後の従業員さんや北海道FA(サッカー協会)の皆さん、北海道民の皆さんに手厚くサポートしていただいたことが心に残っています。あらためて試合をする機会が札幌であれば、戻って来て感謝を伝えたいと思っていたし、サッカーを通して恩返しができればと思っていました」

 ピンチをチャンスに変える。今回、日本サッカー協会はすぐさま、代替試合として現在並行して活動しているU-24日本代表とのチャリティマッチの実施を決定。弟分との内輪の対戦になるが、「1チーム2カテゴリー」として活動してきた今回のラージグループ内での競争激化が期待できる。

 どのチームが相手であろうと、目標は勝利であると森保監督は強調する。さらに、U-24代表の選手には、兄貴分以上のどん欲さを期待する。

「U-24の選手たちは目の前の大きな大会であるオリンピックで結果を出すということを最大かつ直近の目標にしてくれていると思いますが、その目標の先にはA代表でポジションをつかみ、結果を出すことがあると思うので、U-24の選手たちにはギラギラしたものをぶつけてほしいと思います。A代表の選手は、それを受け止めるのではなく、自分たちの力を出し、チームと自分の価値を上げるということを明日の試合でも目指してほしいと思います」

  1. 1
  2. 2
  3. 3