■現在ではほとんど専用スタジアム化している

 しかし、1990年代から2000年代にかけてブンデスリーガ所属のクラブが使用していたスタジアムが次々とサッカー専用に全面改装され、現在ではほとんどが専用スタジアム化されている。

 専用スタジアムが作られて観戦環境が改善されたことによって、ブンデスリーガの観客動員数は急上昇。1990年代の前半までは平均2万人程度(現在のJ1リーグ並み)だったブンデスリーガは、現在では世界で最も観客動員数が多いリーグとして知られている。

 その後、フランスでもドイツに続いて専用スタジアム化が進められ、さらに資金不足でサッカー専用化が遅れていたイタリアでも2011年にユベントスが専用スタジアム(アリアンツ・スタジアム)を建設。また、セリエAのいくつものスタジアムでは陸上競技のトラックの上に仮設スタンドを組み上げるという、資金がかからない安上がりの方法で専用スタジアムへの改装が行われている。ウディネのフリウリ・スタジアムは、今回の川崎市の計画と同じように1990年のワールドカップを前に建設されたメインスタンドはそのままで、バックスタントとサイドスタンドを改築してサッカー専用スタジアムとした。

※その3はこちら

(※スタジアム建設の歴史については拙著『世界スタジアム物語』(ミネルヴァ書房)を参照)

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