■新潟を変えたCB千葉は文句なしの選出!
【GK】阿部航斗(アルビレックス新潟)
GKについては様々な意見があるだろう。失点が少ない意味ではFC琉球の田口潤人、京都サンガF.C.の若原智哉らも候補にあがってくるが、開幕から13戦無敗のスタートダッシュに成功した新潟の守護神を選んだ。ボールポゼッション時にペナルティエリアから飛び出し、DFラインからビルドアップをするチーム戦術へのサポートも評価した。11節のジェフユナイテッド千葉戦では、後半のビッグセーブで2対0の勝利に貢献している。
【右サイドバック】田中恵太(FC琉球)
ここまで全14試合に先発して2得点5アシストを記録し、チーム総得点の約3割に絡んでいる。もともとはアタッカーだったこともあり、攻撃面での貢献度が高い。仕掛けに迷いがなく、スペースの見つけかたと使いかたに優れている。クロスに狙いどころもいい。同サイドの風間宏矢とのタテ関係はチームの強みとなっており、琉球に欠かせない選手のひとりだ。
【右センターバック】ヨルディ・バイス(京都サンガF.C.)
着実に順位をあげてきた京都で、最終ライン中央を任されている。CBとして相手の攻撃を跳ね返す強さはもちろん、ビルドアップにも積極的に関わる。京都の得点シーンを振り返ると、彼のパスがきっかけになったり、アタッキングサードへの飛び出しが相手を揺さぶったりしていることが分かる。チーム2位の4得点も記録している。
【左センターバック】千葉和彦(アルビレックス新潟)
アルベルト体制2年目の新潟で、最大の変化と言っていいのが千葉の加入だろう。10年ぶりの復帰となった古巣で、ここまでフルタイム出場している。スペイン人指揮官が求める後方からのビルドアップを、コンビを組む舞行龍ジェームズと高いレベルで実行している。相手が前線からハメようとしてきてもすぐに蹴り出さず、自らボールを運んで局面を変えるといったように、気を利かせたプレーがチームを助けている。
【左サイドバック】荻原拓也(京都サンガF.C.)
新潟の堀米悠斗、琉球の沼田圭悟との争いとなったが、荻原を選出。昨シーズン途中から在籍した新潟では2列目や右サイドでも起用されたが、期限付き移籍1年目の京都では左サイドバックに定着。得点やアシストは記録していないものの、積極的な攻撃参加で相手守備陣にストレスを与えている。プロ4年目の今シーズンは、飛躍のきっかけとなるかもしれない。
【ボランチ】川崎颯太(京都サンガF.C.)
アンカーポジションを主戦場とし、攻から守への切り替えで相手攻撃の芽を素早く摘み取る。球際のバトルにも果敢に挑み、タックル数47回はリーグ最多を数える。両サイドバックとヨルディ・バイスが攻撃的にプレーするため、全体のバランスを取ることが多いが、本人は攻撃にも意欲的だ。プレーエリアを拡大していけば、昨年の東京ヴェルディでブレイクした藤田譲瑠チマのような存在になるのでは。
【ボランチ】上里一将(FC琉球)
ボランチは上里と川崎のほかにも、新潟の島田譲と高宇洋、ジュビロ磐田の山本康裕、ブラウブリッツ秋田の稲葉修土らも存在感を放っているが、2位の琉球を支えるキャプテンを選出。長短のパスを駆使したゲームコントロールで、自分たちでアクションを仕掛けるチームスタイルを具現化している。好不調の波をほとんど感じさせず、高レベルのパフォーマンスを維持しているのは、さすが経験豊富なベテランと言うべきか。