■前半の飲水タイムから不穏な兆候はあった
ボールを持つ時間が長く、それぞれの選手はどうにかしようとしていても、11人が孤軍奮闘しているような状態ではチームとしてやることが整理されている浦和を崩すことはできなかった。
塚元大は試合後「今日もボールを持っている選手に対して、サポートとか周りの選手が止まっている感じがあった」と述べたが、深刻なのは、その孤軍奮闘×11人という状態になってしまっていることをどうにかして変えようという姿勢がチーム全体に見られないことだ。
前半の飲水タイムから既にそうだった。浦和の選手たちがまだベンチ前で盛んに会話をしている中、ガンバの選手たちは早々に持ち場へと帰っていった。ポジションに戻りながら選手同士が互いに身振り手振りを交えて確認し合うわけでもなく、うつむき、まるで敗戦後かのように静かに歩いていた。まだ試合時間は4分の3残っているにもかかわらず、今日もダメだ、という空気が漂ってしまっていた。
失点を喫しても、やはり互いに声をかけあうことなく淡々と試合が再開された。シュートが入らなかった時には、それを放った本人は悔しさを見せるものの、周りの選手はやはり下を向くだけだった。