「フランクフルト」37歳・長谷部誠に漂う「停滞」の暗雲(1)チーム失速の「最大の要因」の画像
フランクフルトの長谷部誠 写真:picture alliance/アフロ

ブンデスリーガ アイントラハト・フランクフルトvsマインツ 2021年5月9日(日本時間22:30キックオフ)】

 言うなれば“ヒュッター・ショック”の影響か。現地時間5月9日に行われたブンデスリーガ第32節で、フランクフルトはマインツと1-1のドロー。結果だけを見ればホームでの無敗は続いているが、内容はというと“停滞”の一言に尽きる。そこに、年明けから快進撃を続けてきたフランクフルトの姿はなかった。

 11分、中盤でドミニク・コーアからボールを奪いに行ったジブリル・ソウがかわされ、カリム・オニシヴォにパスを通される。振り向いたオニシヴォに、リベロで先発した長谷部誠も対応が間に合わず、目の前でミドルシュートを決められてしまう。

 長谷部は鋭いインターセプトを見せるなど、日本人リベロのパフォーマンスは悪くはなかったが、他のチームメイトの動きは鈍く、躍動からは遠かった。3バックの左を務めたマルティン・ヒンターレッガーのパスは精度を欠き、フィリップ・コスティッチの迫力のあるサイドアタックは鳴りを潜め、これまで 25得点とゴールを量産してきたアンドレ・シウバも停滞。マインツのコンパクトで固い守備ブロックを崩せず、長谷部が縦パスを入れても、その後が続かない。来季のCL出場権獲得が現実味を帯びていた頃の輝きは失われていた。

 なぜ、フランクフルトは失速してしまったのだろうか。1つには、アドルフ・ヒュッター監督がチームを去るからだろう。と言うより、それ以外に理由を探す方が難しい。

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