■「JFAは日韓戦に敏感だから」
前述のランキングで、日本は8位。韓国は6位と、日本の上を行っている。グループステージで日本は勝ち点13を得たが、韓国は19ポイントを叩き出していた。
さらに、選手たちにのしかかるものがあった。リアルサッカーでも伝統となっている、ライバル対決というプレッシャーである。
試合直前の様子を、今予選ではコーチにまわったNasriが振り返る。「皆ビクっとなって、緊張感が高まりました」。選手たちの緊迫感を高めたのは、JFAのスタッフの次のような一言だったという。
「JFAは日韓戦に敏感だから」
中でも一番“堪えた”のがAguだろう。韓国相手に1番手として戦うことが決まっていたからだ。準決勝では引き分けはなく、PK戦まで戦って先に2勝したチームが決勝進出とともに本大会出場権も手にする。“初戦”の重要性は、嫌になるほど理解しているはずだった。
大会全日程を終えた後ならば、Aguはその一言を笑顔とともに振り返ることができた。
「試合直前に、一番身近なスタッフの方がぼそっと言われて。会場にいる全員が『今、それ言う? そんなプレッシャー与える?』みたいな空気になったんですけど、確かにそうだよなと思って。その一言で絶対勝たないなと思いました」