5月4日「川崎対名古屋」戦でよぎった「2014年ブラジルW杯」の記憶の画像
5月4日の川崎対名古屋戦での三笘薫 撮影:原悦生(SONY α9Ⅱ使用)

 中4日で行なわれた首位攻防2連戦は、前年王者川崎フロンターレの2連勝。ホームで0-4と完敗した名古屋グランパスは、アウェーで粘りを見せたが2-3と惜敗。勝点差は9に広がった。

 3失点を喫した名古屋だが、守りはそれほど悪くなかった。

 彼らは密度と強度の高い守りを見せ、1試合平均13本強のシュートを記録する川崎を、今季最少の7本に抑え込んだ。

 それでも名古屋と川崎には、大きな差があった。それは選手個々の局面打開力だ。

 川崎は選手一人ひとりが、難しい局面でもボールを前に持ち出すことができる。敵を背負った場面でも、簡単にパスを下げず、粘り強いキープから反転。果敢に仕掛ける。

 印象深いのが、2点目をアシストした三笘のプレー。

 成瀬を背負いながら巧みにボールを動かして前を向くと、一気に加速。成瀬の前に体を入れて左サイドを深くえぐり、ニアに飛び込む山根に絶妙なラストパスを送り込んだ。

 前を向いて仕掛けるのは三笘だけではない。

 旗手も右タッチライン際で米本を背負いながら前を向き、ドリブルで仕掛ける場面があった。

 敵のプレッシャーを受けながらも前を向き、さらには目の前の敵を外してボールを前に運ぶ。これができると周りの味方が次々とフリーになり、ゴールの可能性がふくらんでいく。

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