【久保建英】古巣ビジャレアル戦「10分間出場」で下された評価(2)「助っ人」それとも「期待の若手」の画像
苦悩の時間を過ごす久保建英 写真:Winner Media/アフロ

※その1はこちら

【ラ・リーガ ビジャレアルvsヘタフェ 2021年5月2日(日本時間23:15キックオフ)】

 久保にとって、前半戦を過ごした古巣との対戦となったビジャレアル戦。久保の出番は79分にジェレミ・ピノに先制されたあとの84分だった。

 久保のことを考える時に念頭におくべき2つのことがある。ひとつは、スペシャルな選手がどういうものか、ということだ。

 ヘタフェに移籍してからは、ロングボールを好むチームの中で久保の良さが活きないことや、引き分けを狙う姿勢が久保を起用しない理由になることに同情が集まった。

 しかし冷静に振り返れば、4-2-3-1のシステムをわざわざ用意して迎えてくれたり、2トップで起用して守備を免除してくれたりと、ボルダラス監督は久保のために変化を用意してくれた。それは、久保のことをスペシャルな選手という枠で捉えてくれていたからだった。

 久保はスペシャルな選手として扱われるタイプのプレースタイルだ。ただし、数字を残してくれなければスペシャルな存在ではない。見ている側は、スペシャルな選手と呼ばれるタイプの選手として久保を捉えているが、現場では結果を出してくれなければスペシャルな選手ではなく、数字が残せないとなれば体を張れて走り回れる労働者タイプの選手が優先されるようになる。

  2つ目は、期待の若手なのか助っ人なのか、という部分だ。

 久保はレアル・マドリードからレンタルされる期待の若手であると同時に、期間限定の助っ人でもある。若手を辛抱強く使いながら育てていく、というのは本来の所属チームでならば行われることだが、レンタルで獲得した側のチームから見れば、1年後、あるいは半年後にチームを離れることが決まっている助っ人を、辛抱強く、リスクをとってまで使って育てる意味はない。

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