■着実に理想に近づけている
その理想にわかりやすく近づいた2つのシーンがある。
51分、右サイドのサポートをしに中盤に下りていたルーカス・モウラが一気にペナルティエリア中央にボールを送ると、右サイドのベイルが斜めに走ってそのボールの受け手となり、テクニカルにダイレクトで落としてソンにスイッチ。シュートが少し遅れて守られてしまったが、ハッキリとした意図を持った攻撃だった。
74分、VARで取り消しになったソンのゴールシーンでは、中盤での2連続のダイレクトパスから一気に攻撃スピードを上げた。
この2つのシーンは、新しいトッテナムの姿を示すものだったが、当然まだ付け焼き刃だ。ベイルのゴールシーンや先の74分のシーンでソンとモウラが被ってしまったように、ブラッシュアップさせていくことは多い。
ここから修正を重ね、ケインを中央に組み込んで完成させていくことになるが、ひとまずメイソン監督は、変化させていくことを示しながら結果を手にすることに成功した。
選手交代のチョイスや時間帯も前任者との違いを意識したものになっており、29歳というプレミア史上最年少の新指揮官は、やる気に満ち溢れている。
■試合結果
トッテナム 2―1 サウサンプトン
■得点
30分 ダニー・イングス(サウサンプトン)
60分 ギャレス・ベイル(トッテナム)
90分 ソン・フンミン(トッテナム/PK)