【ブンデス分析】堂安律がドイツで得た「2つの武器」ビーレフェルト対シャルケ04の画像
堂安律 撮影/サッカー批評

ブンデスリーガ アルミニア・ビーレフェルトvsシャルケ04 2021年4月20日(日本時間3:30キックオフ)】

 オランダに帰るべきなのだろうか。

 現地時間4月20日に行われた第30節、ホームにシャルケを迎えた試合で、ビーレフェルトに所属する堂安律と奥川雅也の両日本人選手は揃って先発出場。堂安は[4―3―3]の右ウイング、奥川は右のインサイドハーフである。

 試合は残留を目指すビーレフェルトが、しっかりとした守備から主導権を握った。敵の3バックに対して3トップが同数でプレスを掛け、相手ボランチのオマル・マスカレルには奥川が、中盤のスアト・ゼーダーにはアルネ・マイヤーがマークに付き、前からしっかりとハメてボールをサイドに追いやって奪おうとする。さらにビーレフェルトはボールを獲った後で何をすべきかはっきりしていた。攻守において選手間の意思統一がしっかりとしており、残留というクリアな目標に向けてチームが一体となってシャルケに挑んでいた。

 最終的に長身FWのファビアン・クロスが50分にスーパーミドルを決めて1-0で勝利したこの試合で、堂安はピッチ上の至る所で成長の跡を見せている。13分にはボックス内でクロスの落としを“右足で”シュート。今季参戦したブンデスで、右足の精度が格段に上がった。

 また、1対1にこだわるドイツの文化の中で戦い続けたことで、対人の守備の強さと安定感もさらに増したようだ。最下位に沈んでいるとはいえ、決してフィジカルが軟弱ではないシャルケの選手たちに対し、ガツガツとボールを奪いに行く。これら右足の精度と対人の強さは、エールディビジに比べて強度が高いブンデスだからこそ、育まれたと言えるだろう。

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