フットボールの罪と罰(3)「ハンドでPKは重すぎる」?の画像
ノーゴール判定に異議を唱えるマルコス・ジュニオールら 撮影:中地拓也

※第2回はこちらから

21世紀になって20年がたち、VARが導入されているのに、相も変わらずオフサイドとハンドリングの判定が議論を巻き起こす。プレーヤーやサポーターだけでなく、レフェリーたちも大きなストレスを強いられている。いったい何が問題なのか。解決するためにはどういう手段が考えられるのだろう。

■判定で揉めないためのルール変更

 ルールを変えてしまうという解決法もある。

 なぜ、ハンドの判定がいつも大騒ぎになるかというと、ペナルティーエリア内でのハンドがPKという“極刑”につながるからだ。それなら、ハンドリングの罰則を直接FKではなく、間接FKにしてしまえばいいのだ。ハンドをしてもPKではなく間接FKになるのなら、大きな問題にはならないだろう。ゴール前の間接FKから得点することはかなり難しいことだ。

 そもそも、ハンドをPKで罰するというのは、罰則が重すぎはしまいか? ラグビーでは、ノックオンとかスローフォワードといったテクニカルなミスはペナルティーキックにはならず、相手ボールのスクラムで再開になる。サッカーにおける「ハンド」という反則は(当たってしまったようなハンドなら)その程度の反則なのではないだろうか。

 たまたまボールが手に当たってしまったことによって、試合の勝敗が決まり、大きなタイトルの行方が決まるというのはおかしい。

 決定的なピンチを防ぐための故意のハンドはイエローカードで罰すればいい。相手のシュートがゴールに入るのをフィールドプレーヤーが手で防いだりしたら、それはいわゆる「DOGSO」で一発退場だ。

 さらに、もしハンドをしてもPKにならないというなら、手(腕)にボールが当たったら、選手の意図も、その手の動きが不自然だったかどうかも関係なく、すべて間接FKにしてしまってもいい。それなら、ハンドの判定で揉めることはなくなるし、すべてを機械に任せてしまうこともできる。

 さらに、極端なことを言おう。

 ハンドリングという反則をなくしてしまえばいい。つまり、サッカーでも手でボールを扱ってよくするのだ。ハンドリングが反則でなくなれば、審判員はこの厄介な問題から永遠に解放される。

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