■決定力のある攻撃陣と安定感あふれる守備陣。ポゼッションにカウンターも
77分には追加点が生まれる。前半からアグレッシブな仕掛けを見せてきた本間が、左サイドからタテへ抜け出してクロスを入れる。これが相手GKのミスを誘い、2点目が生まれたのだ。
公式記録に記されたシュート数は、前半が2対2で、後半は4対6である。両チームともに相手ゴールへ迫っており、新潟が終始主導権を握ったわけではない。
それでも勝利を引き寄せるところに、今シーズンの新潟の強さがある。
2列目に並ぶロメロ・フランク、高木、本間の3人に1トップの鈴木を加えたカルテットは、高い確率で決定機を生かすことができている。ダブルボランチの島田譲と高宇洋は、適切なポジショニングでDFラインと前線をサポートする。
最終ライン中央では、千葉和彦と舞行龍ジェームズが冷静なビルドアップを見せる。入団2年目のGK阿部航斗も、後方からの組み立てに関わる。右サイドバックの藤原奏哉と左サイドバックの堀米悠斗は、効果的な攻撃参加と堅実な守備を披露している。昨シーズンから積み上げてきた自分たちからアクションを起こすサッカーが、明確な方向性として打ち出されているのだ。そのうえで、相手に押し込まれる時間帯に失点を許さず、好機を逃さないしたたかさを身に着けてきた。1点目につながったようなカウンターを繰り出すことで、ポゼッションが際立つ効果も読み取れる。
個々のパフォーマンスとチームとしての安定感を見ると、新潟が大きく崩れる姿は想像しにくい。攻守がガッチリと噛み合っている。次節からは17日、21日、24日と連戦が続くが、新潟は序盤戦の主役を譲らないだろう。