■立ち上がりから互角の激しい試合展開

 そして、試合は開始直後からまったく互角の展開が続いた。

 千葉は、サイドの選手の前のスペースにグラウンダーの低いボールを入れてサイドの選手が走り込んだり、また、ロビングのボールをトップに当てたりと、最終ラインからの長いボールが最も有効だった。ツートップのブワニカ啓太(18歳)は高さがあってパワフルだし、見木友哉(23歳)は小柄ではあるが重心が低く、ともに“闘えるFW”だ。

 そして、琉球の方は高い位置に張らせた両サイドバックが攻撃のキーマンだ。右の田中は強くて正確なクロスを入れてくるし、左の沼田は清武とのコンビネーションで千葉陣内の深いところまでボールを持ちこんで進入してくる。

 前半は両チーム無得点で終了。そして、後半に入って10分、15分、20分と時間が経過しても、依然として互角の激しい戦いが続いていた。2部リーグの試合としては技術的な高さもあるし、ゴールシーンは生まれないものの緊張感が漂ってくる熱の入った試合だった。

 しかし、時間がさらに経過しても、両チームともチャンスは作るが、なかなかゴールの枠はとらえきれない状態が続いた。こうして、「このまま引き分けか」といった雰囲気にもなってきたのだが、しかし、70分を過ぎたところで試合は急に大きく動き始めた。

※後編に続く

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