■「あんな速いテンポの攻撃は日本代表で初めて見た」
―2020年の10月、11月の欧州遠征では、大迫がいなかったんでしたっけ?
大住「1試合しかいなかった。11月はいなくて、10月に1試合だけやって帰っちゃったんだよね。けど、大迫がいるいないの話じゃないね。あの時は攻撃の練習まで行かなかった。それが課題として残ったんだけど、それをたいしたもんだよね、集めて数日間の練習でやるんだから。あんな速いテンポの攻撃は日本代表で初めて見た」
後藤「ディフェンスが跳ね返した、自分たちのボールになった、すぐにボランチにボールが渡って、その瞬間にはボランチが前を向いて。あれはすごいよね。守田英正でさえ、あんなパスができるんだっていうくらい。遠藤航があれぐらいやるのはわかっているけど、守田も遜色ないプレーができて。あそこに、田中碧が加わったら、どうなるんだろう。あと柴崎も」
大住「そういうなかでの三笘薫を、本当は見たいんだよね」
後藤「それで、本当にいいタイミングでボールが来れば……」
大住「破ってゴールまで行けると思うんだけどね」
後藤「だから全てが連動しているんだよね。最終ラインが良いから、ボランチが良いし。ボランチが良いから、前にいいタイミングでボールが行くし。じゃあ最終ラインが、なぜそういう事ができるかと言うと、前がしっかりと守備をするから、余裕を持ってきちんと前に繋げられる。それがフル代表の韓国戦では完璧にできていた。
もちろん全てじゃないしミスもあったし、無理につなごうとしてカットされた事はある。それはしょうがない、90分間全てを完璧にできるわけがないんだから」
大住「90分間はできないんだけど、自分たちが最高なプレーができる時間というのを、意図的にちゃんと持っていかないといけない。最初の15分から20分、前半の終わる15分間、後半の立ち上がりの15分から20分、最後の20分、という風に。真ん中で落ちてもしょうがないんだよね、落ちるのがわかっていてコントロールすればいいだけで、26日のアルゼンチンみたいに。
だけど、それが25日の日韓戦は2点を取った後に少し緩んで、それはサボっていると言う意味じゃなくて、少し甘くなって緩くなった。それが後半の半分まで続いちゃったっていうのは、やっぱり非常に未熟な試合運びだなっていう感じ」
後藤「どういう試合をするかっていうのが曖昧だった。アルゼンチンは後半を完璧にコントロールして、それを45分間やり通したわけだから、さすがだなぁと」
大住「考えているかは分かんないけど、感じているんだよね」
後藤「それで、感じていない選手がいたら、あのオーバーエージのキーパーがガーッと言うわけだよ。日本のGKは、声の大きさだったら、波多野豪だな」
大住「ははは」
後藤「彼の声はすごいよね」