■ゴールに最も近づいたシーン

 限られた時間の中で、ゴールとアシストを記録し続けることで序列を回復するチャンスをなんとか獲得した久保。それを達成するには、強引にでも放つシュートが欠かせない。欲しいタイミングで欲しい場所にボールがくるチームではないのならば、久保自身もより強引に、貪欲にゴールを目指さなければ、これまでと同じことになってしまう。

 この試合でアシストを記録し、直接フリーキックで枠内シュートもあった久保だが、ゴールに最も近かったプレーはボールに触れていないシーンだった。

 それは40分、ヘタフェがPKを獲得したかに思われたシーンでのことだ。VARの対象となったプレーの直前、中央でフリーになっていた久保は左のマルク・ククレジャから来たボールと僅かにタイミングが合わず、ボールに触ることができなかった。流れの中でゴールを決める絶好の機会だったが、記録上はシュートすら残っていない。

 欲しいタイミングで欲しい場所にボールがくるチームではない、で済ませてしまっては今後もゴールは生まれない。ボールが流れてしまった直後、久保はダイレクトでゴールに蹴り込むことができる位置でフリーになっていたことを不満な態度をもってアピールするべきだった。

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