■ゴールネットの存在意義

 Jリーグのスタジアム基準には「ゴールネット」に関する項目があり、「白以外はJリーグに申請すること」「ゴールネットはゴールの後方にポールを立て安全な方法で取り付けること。サブポールは濃い色のものとする」とある。そしてこの2つの条件とも「◎」がつけられているから、Jリーグではネットの設置を義務付けていることがわかる。しかし通常、サッカーの大会要項には「本年度の競技規則による」としか書かれていないため、正確に言えば、ネットがなくてもいいことになる。

 だが実際には、ネットなしで試合をすることなど考えられない。試合前、レフェリーがゴールにネットが張られていない状態を見のがすことなどありえない。公式戦であれば、レフェリーの施設チェックは、各ラインが正確に引かれているかとともに、ゴールネットがしっかりと張られているかに重点が置かれるからだ。

 ネットに破損箇所はないか。ゴールポストにしっかり取り付けられているか。そしてグラウンドにしっかり取り付けられているか……。ネットがしっかり取り付けられておらず、ゴールにはいったボールがそのまま抜けてしまったり、またサイドネットに外から当たったボールがゴール内にはいってしまったりしたら、大きな誤審や混乱につながってしまうからだ。

「ゴールにはいったかどうか」。ゴールネットは、まさにそれを判断するためにある。

※後編に続く

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