ビッグイヤーの獲得は、いつからか彼らの「至上命題」になっているようにみえる。
今季のチャンピオンズリーグで、バルセロナは決勝トーナメント1回戦でパリ・サンジェルマンと対戦した。ホームのファーストレグで1ー4と敗れ、ラウンド突破が厳しい状況となった。
バルセロナが最後にチャンピオンズリーグを制したのは2014-15シーズンだ。リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの「MSN」を擁したバルセロナはスペインと欧州を席巻して、そのシーズンにトリプレテ(3冠)を達成した。
だが、それ以降、バルセロナの主将がビッグイヤーを掲げることはなかった。メッシが主将に任命されてから、一度も欧州の頂に立っていないのは皮肉な話だ。一方、その間、ライバルクラブのレアル・マドリーは前人未到のチャンピオンズリーグ3連覇を達成している。
ただ、バルセロナはチャンピオンズリーグのタイトル云々以前に、クラブとして過渡期を迎えている。ネイマールの移籍、エルネスト・バルベルデ元監督の解任、バイエルン・ミュンヘン戦の2-8、メッシの退団騒動、ジョゼップ・マリア・バルトメウ前会長の辞任...。この数年、バルセロナほどトピックスを提供し続けたクラブはないだろう。
■補強の失敗と背景
今冬の移籍市場でも、それは変わらなかった。結論から言えば、バルセロナに新戦力は到着しなかった。
バルセロナはエリック・ガルシア(マンチェスター・シティ)を狙っていた。今季終了時にシティとの契約が満了するガルシアだが、契約延長を行っておらず、移籍に傾いているといわれていた。
ガルシアはバルセロナのカンテラ出身で、地元のクラブを愛している。これはバルセロナにとって大きなメリットになるはずだった。実際、シティとの契約延長を拒んだ事実から、選手の移籍の意思は強かった。しかしながらバルセロナは彼を確保できなかったのだ。
なぜ、バルセロナはガルシアの獲得に失敗したのか。その背景には、会長選と候補者たちの思惑があった。