昨年10月27日にバルトメウ前会長が辞任したバルセロナでは、今年3月7日に会長選が行われる予定となっていた。ジョアン・ラポルタ、ビクトル・フォン、トニ・フレイシャといった候補者はガルシアの獲得に関してそれぞれの見解を述べた。

 特に、ラポルタはガルシアをこのタイミングで獲得すべきと強く主張していた。最終的には暫定会長を務めるカルレス・トゥスケッツが「現在の理事会を脅迫するような真似はやめてもらいたい。クラブのためだと言いながら、自分の利益のために動くのは控えるべきだ」という通達を出す事態に発展した。

■センターバック問題

 守備面の課題に関しては、パリ戦の前に予兆があった。CLのグループステージ最終節でバルセロナはユヴェントスに0-3と完敗していたのだ。

 以降、ロナルド・クーマン監督は今季採用していた【4-2-3-1】から【4-3-3】にシステムを戻した。ペドリとフレンキー・デヨングをインサイドハーフに配置して、セルヒオ・ブスケッツをワンアンカーに据えた。

 この布陣と起用法はチームに安定感をもたらし、コパ・デル・レイ準決勝ファーストレグのセビージャ戦まで、16試合連続得点を記録した。

 だがセンターバックの選定は困難を極めた。ジェラール・ピケの負傷による長期離脱で、オスカル・ミンゲサやロナウド・アラウホといったカンテラーノがチャンスを得た。それでも、デ・ヨングをCB起用するなど、クーマン監督の起用法は定まらなかった。

 「過去については話さない。補強に関しては、その時期にクラブと必要な話をした。一人、補強が必要だと彼らには言っていた。ただ、クラブの状況や財政的なことは理解しているつもりだ。それをリスペクトする。だが負傷者や不運で守備の選手の人数が不足している。スタメンが固定できない」とはクーマン監督の言葉だ。

 今季、リーガ第25節終了時点でバルセロナの失点数(22失点)はアトレティコ・マドリー(16失点)、レアル・マドリー(20失点)より多い。それだけではなく、セビージャ(18失点)、レアル・ソシエダ(21失点)と比べ上位陣ではワーストの数字だ。

 そして、ユヴェントス戦、パリ戦とビッグマッチにおいては大量失点を喫している。CL制覇から遠ざかっている理由が守備の脆さだけにあるとは言えない。ただ、近年の傾向からして守備が脆弱なチームが優勝していないのもまた事実である。

 7日には、新たな会長が決まっているはずだ。ただ今季、クーマン監督はセンターバック問題を補強に頼らずに乗り越えなければならない。

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