■『ヘタフェの状況』
降格圏との勝ち点差は3。いよいよ1試合で追いつかれる状況になってしまった。
ホセ・ボルダラス監督が解任されるのではないか、という報道が多かったが、アンヘル・トーレス会長は監督を支持することを表明した。ボルダラス監督が近年のヘタフェで最も成功を収めた人物であること、そしてクラブには違約金を払う余裕がないことが理由とされている。
なんとか指揮を執り続けられそうなボルダラス監督だが、前節退席処分になったことでこの試合ではベンチには入れない。オーナーの気が変わる前に結果を出したいところだったが、命運はコーチのパトリシオ・モレノと選手に託された。
メンバーではセンターバックのジェネが出場停止から復帰する。セビージャ戦で試合を壊してしまったキャプテンは、チームを勝たせる意欲に満ち溢れている。
今シーズンの1度目の対戦では3-0で勝利している。そして、ボルダラス監督はベティスのホームスタジアムのビジャマリンで負けたことがない。過去のことは関係ないとはいえ、結果がほしい今のヘタフェにとっては縁起の良いデータだ。
■『久保の注目ポイント』
ボルダラス監督は久保とカルレス・アレニャのベンチ行きに対して「チームの守備力を失ってしまったから」とした。しかし、ソシエダとの一戦では前半に先制点を許し、守備に重きをおいても結局失点してしまうことが明らかになった。
結果が出ない中で様々なフォーメーションと選手の組み合わせを試しているヘタフェに対し、スペインメディアはこの試合で久保とアレニャを先発に戻し、しかもクチョ・エルナンデスもピッチに置くのではないかと予想している。マルク・ククレジャ、アレニャ、久保、エルナンデスのカルテットはヘタフェに新しい風を吹かせることができるだろうか。
チームが結果を出せないことで再び巡ってくるチャンスを逃す手はない。チームやライバルの悪い結果は、ベンチの選手にとってはこれ以上ないチャンスだ。厳しい世界だが、そういうチャンスをものにした選手が生き残る。
ライバルに序列逆転のチャンスを与えないために結果を出す必要があるのと同じように、ライバルをベンチに追いやるために結果を出す必要がある。出ればとにかく結果が必要、それが競争だ。
やはり久保だ、と思わせることができるだろうか。