リバプールで起用されなくなったのは、1試合を通して相手が思いきり引いて守ってくることが増えたからだ。スペースがない場面では活きない、という評価は、早い展開の中でスペースを突くことと作ることがストロングポイントである南野にとって当然のものではある。
この試合でも、76分にニューカッスルが9人になり引いて1点を守りきることを選択すると、南野はゴールから離れた場所でプレーするようになった。ゴールを奪っただけでなく、49分には中盤からのドリブルで相手を1人退場させたにもかかわらず、だ。
11人対9人という数的優位な状況で1点を追いかけるこの状況で、この試合の中で相手の脅威になっていることを証明してきた南野に、ボランチのようにボールを繋ぐ役割が与えられた。
パワープレー要員でないことは当然だろう。南野をパワープレーで最前線に送る監督は世界中のどこにもいないだろう。プレミアリーグでパワープレーに参加することができる選手になれるかどうか、は課題ではない。それが南野の役割でないことは明らかだ。
課題は、相手に引かれたら脅威になれない選手、というイメージを変えることだ。
引かれた相手にも脅威になる存在であることを示し、そのイメージを変えなければリバプールに帰還を果たせない。サウサンプトンのラルフ・ハーゼンヒュットル監督は南野を高く評価しているが、2人多い状況で、アディショナルタイムを含めてまだ約20分もあるのにパワープレーを選んだ。
その選択はサウサンプトンというチームに限らず、イングランドであれば普通のことだ。例外はペップ・グアルディオラ監督のマンチェスター・シティとトーマス・トゥヘル監督のチェルシーくらいだろう。