■「24クラブのFCWC計画」の真の目的

 ただし、FIFAが「スーパーリーグ構想」を激しく非難するのは、そんな理由からではない。「24クラブのFCWC」と完全にバッティングするからだ。そんなものは認めるわけにはいかない——。

 FIFAはジャンニ・インファンティーノ会長が「24クラブによるFIFAクラブワールドカップ(FCWC)」の導入を決めた。ジョゼフ・ブラッター前会長時代の2000年にFCWCを始め、2005年以降は、各地域連盟のチャンピオン(6クラブ+開催国代表)を集めて毎年12月に開催してきた。

 しかし日本でやっても中東でやっても、スタジアムが満員になるのはスターぞろいの欧州チャンピオンが出場する試合だけ。大会自体の人気は上がらず、スポンサー収入も放映権収入も増えないのに焦れたインファンティーノ会長が考案したのが「24クラブによるFCWC」だった。

 4年にいちど、ワールドカップの前年に「プレ大会」として開催されてきた「FIFAコンフェデレーションズカップ」を廃止し、そこに24クラブによる新しいFCWCをはめ込むことにしたのだ。その第1回大会はことし中国で行われる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中国が開催を辞退、いまは宙ぶらりんの状態になっている。

 FIFAの計画では、出場枠は欧州が8、南米が6、アフリカと北中米カリブ海がそれぞれ3、アジアが2.5、そしてオセアニアが0.5、それに開催国から1。スター揃いの欧州のビッグクラブを数多く入れることで関心を高め、スポンサーと放映権収入を増やそうという目論見は明らかだ。

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