■『久保の注目ポイント』

 ヘタフェでの4試合で、ビジャレアルにいた4か月と同じだけのプレー時間を得た久保だが、いまだアシストとゴールは記録できていない。

 アスレティック・ビルバオ戦では攻撃を封じられるだけでなく守備での貢献度の低さも見せてしまい、アラベス戦ではシステムの変更に伴って、守備の負担を軽減されたものの存在感を示せなかった。チーム全体に問題があるとはいえ、チームを勝たせる存在として期待されている久保は、周りがどれだけ上手くいっていなかったとしても結果を求められる存在でもある。

 セビージャの堅守は、手数をかけない攻め方をすることで後方に人数が多く残ったままでいられる、というものだ。久保までボールが届くことは少なく、ようやくボールを持った久保に対しては2人がつくことは間違いない。

 ヘタフェの状態からも、セビージャの戦い方との相性からも、久保にとって厳しい試合になることは確実だが、そういう厳しい状況で結果を出せる選手だということを示すことこそ、久保がしなければならないことだ。

 ボルダラス監督は結果が出ない久保に対して信用を口にしているが、その発言は“まだ”という注釈をつけて受け取るようにすべきだ、ということを忘れてはならない。厳しい状況で結果を出してくれない選手は、下位のクラブにとって必要のない選手になってしまう。下位のクラブに必要とされない選手が上位クラブに必要とされることはない。

 アピールする機会を得るには結果を出してアピールし続けることが必要だ。セビージャ戦の直後にはレアル・マドリードとの試合が待っている。久保はセビージャ戦で結果を出し、レアル戦でアピールする機会を得ることができるだろうか。

 正念場を迎えた久保の底力に期待したい。

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