スペイン人指導者の目に映る日本サッカー(1) 「日本の子どもたちに欠けているもの」の画像
アレックス・ラレア氏 撮影/渡辺航滋
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近年、Jリーグでプレーするスペイン人選手が増えている。また、乾貴士久保建英と、かつてはハードルが高かったスペインの1部リーグでプレーする日本人選手も増えている。では、近づいてきた両国では何が変わり、またどんな差が横たわっているのか。ヨーロッパ最高位の指導ライセンスであるUEFAプロを持つチーム・個人のパフォーマンス分析の専門家であり、元スペイン代表ダビド・ビジャらが生み出したメソッドを日本で伝えているアレックス・ラレア氏に話を聞いた。

■日本でサッカーを指導するラレア氏

 ラレア氏は、スペインサッカー協会会長であった父を持つ。兄も元U-21スペイン代表で、現在ヴィッセル神戸でプレーするアンドレス・イニエスタとともに世代別の欧州チャンピオンに輝くという、サッカー一家で生まれ育った。

 現在は元スペイン代表ダビド・ビジャがグループ最高責任者を務め、スペインやアメリカ、カナダで展開している「DV7サッカーアカデミー」の日本でのディレクターコーチを務めている。

 自身も大学卒業後にカナダでプロとしてプレーしていたラレア氏だが、不思議な縁で日本で働くことになった。大学ではビジネスを学んでおり、選手生活に区切りをつけた後はインドで仕事に就いた。その異国の地で、同国スーパーリーグのデリー・ディナモスで指揮を執っていたジョセップ・ゴンバウと知己を得る。

 エスパニョールやバルセロナのアカデミーでの指導歴があるゴンバウ氏から、アナリストとしてのクラブ加入のオファーを受け、契約締結には至らなかったものの2人の関係はその後も続いた。連絡を取り合う中で、常に伝えられていたのが、ダビド・ビジャらと創設していたDV7メソッドだった。そのスクールを世界各国で展開するにあたり、スペインに戻って子どもの指導にあたっていたラレア氏に、日本行きの打診が届いたという。

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