■ヴィニシウス・アラウージョを軸に多彩な組合せが可能に

 昨シーズン7得点の大槻周平が抜けた前線には、木戸皓貴(アビスパ福岡から加入)と藤村怜北海道コンサドーレ札幌から加入)を迎えた。新卒では松本乾太(桐蔭横浜大学)と阿部要門(尚志高校)を獲得した。松本は左利きのドリブラーで、阿部はU―18日本代表候補の大型ストライカーだ。

 さらに、FC今治の林誠道も加入した。19年にJ3のガイナーレ鳥取で11得点を記録し、昨シーズンは8得点をあげた24歳だ。昨シーズン14得点のヴィニシウス・アラウージョを軸に、特徴の異なる組合せを作り出せるだろう。

 ディフェンス陣は既存のメンバーがほぼそのまま残留した。さらなる安定感を促す存在として、SC相模原のJ2昇格に貢献したGKビクトル、愛媛FCのCB山崎浩介らが加入している。また、昨年8月に左アキレス腱断裂で全治6か月と診断され、長期戦線離脱を強いられた栗山直樹が復帰すれば、最終ラインの選択肢はさらに増す。

 

【補強充実度】  B 

計算の立つ選手を多く獲得し、どのポジションも不足はない。Aに近いBと言えるだろう。

【J1昇格本気度】  A 

守備陣のコアメンバーが残り、昨シーズン42失点の安定感をキープ。攻撃はビニシウス・アラウージョの爆発が大前提だ。さらに加えて、背番号10を着ける加入2年目の中村充孝にも、18試合2得点に終わった昨シーズン以上の成績を残すことが期待される。昨シーズン7位のチームが就任2年目の石丸監督のもとでチームの成熟度を高めていくことにより、昇格争いには確実に絡んでいけるはずだ。 

【J1昇格可能性】  B 

昇格ラインを勝点「80」に設定すると、昨シーズンからプラス18(6勝分相当)の上積みが条件。そのためには、接戦を落とさないしぶとさを高めることが必要だ。既存のメンバーはもちろん、J2の他クラブで実績を残してきた新加入選手が、過去の自分を上回るようなパフォーマンスを見せることで、可能性が高まっていくだるう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3