■2列目の補強は外国籍選手か?

 一方の補強では、昨シーズンのJ3で得点王となったFW谷口海斗(ロアッソ熊本から)、19年にFC琉球で15点をあげたFW鈴木孝司(C大阪から)を完全移籍で迎え入れた。20年にU―18日本代表に招集された小見洋太(昌平高校)も、新加入選手に名を連ねる。

 中盤には、昨シーズンのレノファ山口で主力を担った東京五輪世代のMF高宇洋、北九州で万能性を発揮したMF藤原泰哉が加わっている。どちらもボランチが主戦場だ。また、昨シーズン37試合出場の島田譲が、V・ファーレン長崎からの期限付き移籍ではなく完全移籍へ切り替わったのも、指揮官にとっては明るいニュースと言えるだろう。ボランチにはウルグアイ人MFゴンサロ・ゴンザレスらもおり、質、量ともに十分過ぎるほどだ。

 最終ラインでは、サンフレッチェ広島でJ1リーグ連覇を経験したCB千葉和彦が、11年以来の復帰を果たしている。GK小島亨介(大分トリニータ)とDF田上大地柏レイソル)の期限付き移籍が延長された。守備のマルチタレント新井直人がC大阪へ移籍したものの、DFラインの構成に悩まされることはなさそうだ。

 そう考えると、物足りないのは2列目だ。J1昇格を狙うのであれば、得点とアシストが見込める選手が欲しい。昨年10月にファビオペドロ・マンジーとの契約を解除し、CBマウロ、MFシルビーニョとの契約が満了となったことで、登録枠に余裕のある外国籍選手を持ってくるのだろうか。

 いずれにせよ、攻撃陣のさらなる補強は不可欠である。

 

【補強充実度】 B 

千葉、高宇洋、藤原、鈴木ら、実績のある選手を獲得したのは評価できるが……。

【J1昇格本気度】 C 

「計算の立つ選手」という表現が当てはまる選手を獲得している一方で、J1昇格の2位以内を強く確信させるほどのタレントは集まっていない。

【J1昇格可能性】 

守備陣とボランチまでは、既存の戦力を含めて不足なし。対照的に、前線から攻撃陣は移籍した選手の穴を埋め切れていない。

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